
「通信制限じゃないのに通信速度が遅い」このようにお悩みでしょうか?
インターネットが遅い理由は、通信制限に限らずデバイスやルーターが原因の可能性もあります。
本記事では、通信速度が遅くてお困りの方に向けて、通信速度が遅い原因と11個の対処法について紹介しています。
簡単に試せて効果的な対処法も多いので、ぜひ参考にしてみてください。
通信速度が遅いと感じたときに知っておきたい3つの知識
通信速度が遅いと感じたときに知っておきたい知識は、次の3つです。
- インターネット回線の最大通信速度
- 実際の回線速度をテストする方法
- 用途別に必要な通信速度の目安
それぞれ解説していきます。
インターネット回線の最大通信速度
インターネットの通信速度は、契約プランによって最大通信速度が決まっています。まずは契約中のインターネット回線の最大通信速度を確認しましょう。
光回線では下り・上りともに最大通信速度1Gbpsのプランが一般的ですが、電話回線を使用したADSLの最大通信速度は下り50Mbps・上り5Mbps程度です。
最大通信速度はあくまで技術規格上の最大値ではありますが、固定回線の種類やプランによって最大通信速度自体が大きく変わるのも事実です。契約プランについて覚えていない場合は、一度確認してみましょう。
実際の回線速度をテストする方法
通信速度が遅いと感じたときに知っておきたいことは、実際に出ている通信速度です。
ここでは、Googleのスピードテストを利用して通信速度の実測値を知る方法を紹介します。
Googleのスピードテストの実行方法は、次の通りです。
- Google検索バーに「スピードテスト」と入力して検索する
- 一番上に表示された「インターネット速度テスト」の「速度テストを実行」をタップ
以上の2ステップで簡単に速度を計測可能です。「通信が遅い」と感じたときは、ぜひ試してみましょう。
測定できる項目は次の通りです。
項目 | 単位 | 内容 |
ダウンロード速度(下り) | bps | インターネット上のデータを受け取る |
アップロード速度(上り) | bps | ネットワーク上へデータを送信する メールや画像などのデータ送信 |
待ち時間(ping値) | ping | サーバーまでの往復時間 数値が低いほどタイムラグが少ない |
ダウンロード速度(下り)は、動画視聴やWebページの閲覧する際の速度です。
アップロード速度(上り)とは、メールや画像などのデータ送信をする際の速度を指します。
待ち時間(ping値)とは、サーバーまでの往復時間を数値化したものです。数値が低いほどタイムラグが少ないことを表しており、オンラインゲームをする方には特に重要な数値となります。
用途別に必要な通信速度の目安
インターネットで何をするかによって、必要になる通信速度は異なります。
以下は、用途別に必要な通信速度の目安です。
用途 | 通信速度の目安 |
Webサイトの閲覧 | 1Mbps~10Mbps |
メール | 128kbps~1Mbps |
SNS | 1Mbps~10Mbps |
LINE | 128kbps~1Mbps |
動画視聴 | 1Mbps~20Mbps |
ZOOM | 600kbps~4Mbps |
オンラインゲーム | 30Mbps~100Mbps |
・Webサイトの閲覧
Webサイトを閲覧するのに必要な通信速度は、およそ1Mbps~5Gbpsです。
テキストベースのサイトでは1Mbps程度で十分閲覧できます。画像や動画が多く埋め込まれているようなサイトでは3Mbps以上、サイトの重さによっては快適に通信するために10Mbps程度必要です。
・メール
メールの送受信に必要な通信速度は、およそ128kbps~1Mbpsです。テキストのみのメールであれば128kbps、画像や書類などのファイルが添付されたメールの場合は1Mbpsが目安となります。
・SNS
SNSをするために必要な通信速度は、およそ1Mbps~10Mbpsです。
テキストベースのX(旧Twitter)では、1Mbps~3Mbps程度あれば快適に閲覧できます。ショート動画がメインのTiktokやInstagramでは、3Mbps~10Mbps程度の速度が必要です。
・LINE
LINEに必要な通信速度は128kbps~1Mbps程度で、メール同様に通信速度をあまり必要としません。トークの送受信では128kbps程度、無料通話やビデオ通話の場合でも1Mbpsで快適に通話できます。
・動画視聴
動画を視聴するにはダウンロード速度が重要となり、快適に視聴する目安は1Mbps~20Mbpsです。
例えばYouTubeを視聴する際に、画質ごとに推奨される速度は次の通りです。
動画の解像度 | 推奨される通信速度 |
4K UHD | 20 Mbps |
HD 1080p | 5 Mbps |
HD 720p | 2.5 Mbps |
SD 480p | 1.1 Mbps |
SD 360p | 0.7 Mbps |
参照:YouTubeヘルプ
YouTubeはHD720pで再生することが多いことから、基本的には2.5Mbps程度の速度で十分快適に視聴可能といえます。超高画質の4K UHDで再生したい場合には20Mbps程度必要になることもあります。
YouTubeの他にもNetflixなどのストリーミングサービスでも考え方は同じで、画質(動画の解像度)ごとに必要となる通信速度は異なります。
・Zoom
Zoomではダウンロード速度とアップロード速度のどちらも重要となり、600kbps~4Mbps程度の通信速度が推奨されています。
人数や画質ごとに推奨される速度は次の通りです。
画像の解像度 | 1対1のビデオ通話 | グループでのビデオ通話 |
高画質 | 600kbps(上り/下り) | 1Mbps/600Mbps(上り/下り) |
720p HD | 1.2Mbps(上り/下り) | 2.6Mbps/3Mbps(上り/下り) |
1080p HD | 3.8Mbps/3Mbps(上り/下り) | 3.8Mbps/3Mbps(上り/下り) |
参照:Zoomサポート
Zoomなどのビデオ通話では、1対1でのビデオ通話とグループでのビデオ通話によって推奨速度が異なります。
また、画質を選択することで必要になる通信速度を下げることも可能です。
通信速度が遅いときの3つの原因

通信速度が遅いと感じたときの原因には、次の3つがあります。
- デバイスの問題
- ルーターなど接続機器の問題
- インターネット回線の問題
それぞれ解説していきます。
デバイスの問題
通信速度が遅いときの原因として、使用しているパソコンやスマートフォンなどのデバイスの問題があります。
考えられるデバイスの問題は、次の通りです。
- ストレージの空き容量不足
- 内部の一時的なエラーやバグ
- OSが古い
- 複数のアプリが立ち上がっている
- CPUの性能が不十分
- 故障
ストレージの空き容量不足が原因で、処理速度が遅くなりブラウザやアプリの起動に時間がかかることがあります。
不要なアプリを削除したりキャッシュを削除したりすることで、ストレージの空き容量を増やすとよいでしょう。
デバイス内部で一時的なエラーやバグが発生している可能性もありますが、その場合は再起動で改善することがほとんどです。
OSが最新でない場合には、バッグアップをとってからOSのバージョンアップも試しましょう。
ルーターなど接続機器の問題
ルーターなどの接続機器の問題で、通信速度が遅い可能性があります。
考えられるルーターの問題は、次の通りです。
- ルーターの設置場所の問題
- 古い規格のルーターを使用している
- ルーターの故障
ルーターを設置している場所によっては、Wi-Fi(無線LAN)の電波を効率よく飛ばせていないことがあります。
また、ルーターの種類によっては、規格が古く通信速度が遅いこともあるでしょう。
インターネット回線の問題
通信速度が遅いときの原因には、以下のようなインターネット回線の問題が考えられます。
- 通信障害が発生している
- 集合住宅でLAN配線方式を使用している
回線で通信障害が発生すると、一時的にインターネットが使えなくなったり、途切れやすくなったりします。
また集合住宅でLAN配線方式を使用している場合では、LAN配線方式を使用している利用者からアクセスが同時に集中することで通信が遅くなったり、途切れたりする場合もあります。
スマートフォンやパソコンの通信速度が遅いときに試すべき11個の対処法

スマートフォンやパソコンの通信速度が遅いと感じたときに試したい10個の対処法は、次の通りです。
- 速度制限を確認する
- デバイスを再起動する
- デバイスのOSをアップデートする
- ストレージの空き容量を増やす
- 使用してないアプリを閉じる
- キャッシュを消去する
- 有線LANを使用する
- ルーターの設置場所を変える
- 通信障害を確認する
- 新しいスマートフォンに買い替える
- 回線を乗り換える
それぞれの対処法について解説していきます。
速度制限を確認する
通信速度制限が原因でスマートフォンやモバイルルーターの通信速度が遅いことがあるので、通信制限がかかっていないか確認してみましょう。
スマートフォンのモバイル回線は、毎月決められたデータ量に達すると速度制限がかかる使用です。さらに使い放題のモバイルルーターなどのモバイル回線でも、一定期間内に決められたデータ量を使うとネットワーク混雑回避のために制限がかかります。
スマートフォンのモバイル回線に速度制限がかかっているかどうかは、契約している通信会社のマイページで確認したり、登録しているアドレスへ届くメールから確認したりしましょう。
モバイルルーターの速度制限の確認は、マイページから確認できるものもあれば、事前に「データ量通知サービス」などの登録をしておくとメールでお知らせを受け取れるものなど、通信会社によって異なります。
デバイスを再起動する
スマートフォンやPCの内部で一時的なエラーやバグが発生していることで、通信が遅い場合に有効な方法がデバイスの再起動です。
普段再起動を行っていないという方は、以下の方法を参考に再起動を行ってみてください。
iPhoneの再起動方法
- サイドボタンと音量の下げるボタンを同時に長押しする
- 「スライドで電源オフ」をスライドする
- 電源が切れた後にサイドボタンを長押しして電源を入れる
iphoneのモデルによって操作が異なる場合があります。モデル別の再起動方法はApple公式サイトをご覧ください。
Androidの再起動方法
- 電源ボタンを長押しする
- 表示されたメニューから「再起動」を選択する
Androidの機種やOSのバージョンによって操作が異なる場合があります。各機種・OSバージョン別の再起動方法は、各メーカー公式サイトをご確認ください。
Mac pcの再起動方法
- アップルメニュー(リンゴのマーク)を選択する
- 「再起動を選択する」
Windows pcの電源再起動方法
- スタートに移動する
- 電源ボタンを選択する
- 再起動を選択する
デバイスに問題があるケースでは、再起動で改善することも多いです。まずは再起動を試してみてください。
デバイスのOSをアップデートする
OSとは、オペレーティングシステム(Operating System)の略称で、デバイスの操作やアプリを使うための基本ソフトウェアのことです。
デバイスのOSをアップデートは、新たな機能の追加やセキュリティ強化を目的としますが、不具合の修正も行います。
通信速度が遅いと感じたときやデバイスの調子がよくないと感じたときは、OSアップデートを行うのも一つの方法です。OSのアップデートは、バックアップと充電を行ってからWi-Fi(無線LAN)環境で実行しましょう。
ストレージの空き容量を増やす
カメラで撮影した写真や動画、ダウンロードしたアプリが増えていくとスマートフォンのROMと呼ばれるストレージがたまり、ストレージの空き容量不足で動きが遅くなる可能性があります。
ストレージの空き容量を増やす方法は、次の3つです。
- 不要な写真や動画を削除する
- 不要なアプリを削除する
- オンラインストレージを活用する
スマートフォンのカメラでなんとなく撮った写真や撮影に失敗した写真などを保存したままの方は、写真や動画の整理をするだけでもストレージ容量を増やせます。
スマートフォンの中に使っていないアプリがたまっていることもあります。中には1つのアプリで3GB以上のストレージ容量を占めるアプリもあるので、不要なアプリも削除しましょう。
使用してないアプリを閉じる
通信が遅いと感じたときに、使用していないアプリが立ち上がったままになっていることが原因でデバイス自体の動作が遅くなっていることがあります。
アプリを使用した後そのままホーム画面に戻ると、アプリは完全に終了せずにバックグラウンドで起動した状態のままです。
通信が遅いと感じたときは、使用してないアプリを閉じましょう。
iPhone・Android別のアプリの終了方法は、次の通りです。
iPhoneのアプリ終了方法
- ホーム画面下部から上にスワイプ
- 表示された終了されていないアプリを1つずつ上にスワイプして表示から消す
Androidのアプリ終了方法
- ホームボタンを押す
- 表示された終了されていないアプリを1つずつ左右どちらかにスライドして表示から消す
OSのバージョンや機種によって名称や操作が違うこともあるので、上記の操作ができない場合には公式サイトのヘルプなども確認してみてください。
キャッシュを消去する
通信が遅いと感じたときに、キャッシュがたまってデバイスの動きが悪くなっていることもあるため、キャッシュの削除も定期的に行ってください。
キャッシュとは、スマートフォンやPCで動作を最適化するためにデータを一時的に保存したデータのことです。
キャッシュを消去する方法は次の通りです。
iPhoneのキャッシュ削除の手順
- 「設定」をタップ
- 「safari」をタップ
- 「履歴とWebサイトデータを削除」をタップ
- 「履歴とデータを消去」をタップ
Androidのキャッシュ削除の手順
- 「設定」をタップ
- 「アプリ」をタップ
- キャッシュを削除したいアプリを選択する
- 「キャッシュの削除」を選択
間違えて「データの削除」を選択するとキャッシュではなくデータが消えてしまうので、「キャッシュの削除」を選択するように気を付けましょう。
Androidの機種によっては、設定内の「ストレージ」や「デバイスケア」などの項目からキャッシュを一括削除できるものもあります。
有線LANを使用する
パソコンの通信が遅いと感じたときには、有線LANを使用するのもおすすめです。
Wi-Fi(無線LAN)が使える無線LANは自宅のどの部屋でもインターネットが利用できるため便利ですが、電波干渉や障害物に影響を受けやすい特徴があります。
一方で有線でパソコンをつなげることで、電波干渉や障害物の影響を受けず通信することができます。
ルーターの設置場所を変える
家具や壁などが障害物となってWi-Fi(無線LAN)が不安定になっている場合は、ルーターの設置場所を見直すことで通信速度が速くなる可能性があります。
Wi-Fi(無線LAN)の電波は家具や壁などの物理的な障害物に遮られやすいため、最適な設置場所は家の中心の部屋でなおかつルーター周辺に家具や壁がない場所です。
また水は電波を吸収する性質があるため、水槽や花瓶などの水回りにある場合も同様にルーターの設置場所を変更しましょう。
通信障害を確認する
自然災害による影響や設備の故障などが原因で回線側に通信障害が発生し、インターネットがつながらなくなったり通信が遅くなったりするケースがあります。
インターネットがつながらないときや通信が遅いと感じたときは、通信障害が発生していないか確認しましょう。
通信障害の確認は、以下の4つから確認できます。
- インターネット回線の公式サイト
- プロバイダの公式サイト
- X(旧Twitter)で情報収集する
- 電話で問い合わせ
通信障害が原因の場合には、復旧を待つしかありません。
新しいスマートフォンに買い替える
スマートフォンのスペックが足りていないことが原因で、動作が遅いケースもあります。古いスマートフォンを使い続けている場合には、動作が遅いだけでなくOSも最新に保てずセキュリティも更新されないため、買い換えがおすすめです。
パソコンの動作が遅い場合も、CPUやメモリのスペックが足りているか確認し、足りていないようであれば買い換えを検討しましょう。
回線を乗り換える
ここまでの改善方法を試しても通信が遅い場合には、インターネット回線を乗り換えるのも一つの方法です。
各光回線のプランを比較し、現在よりも最大通信速度の速いプランへ乗り換えることで、今よりも通信速度が速くなる可能性があります。
また、マンションなどの賃貸では一つの回線を共有している場合も多く、入居者が同じ時間帯にインターネットを使うと回線が混雑して通信が遅くなることもあります。
そのような場合には、光回線だけでなくモバイルルーターやホームルーターなども視野に入れて回線を選ぶとよいでしょう。
まとめ
今回は、インターネットが遅いときの原因と対処法について紹介しました。
スマートフォンやパソコンの通信速度が遅いと感じたときに試したい11個の対処法は、次の通りです。
- 速度制限を確認する
- デバイスを再起動する
- デバイスのOSをアップデートする
- ストレージの空き容量を増やす
- 使用してないアプリを閉じる
- キャッシュを消去する
- 有線LANを使用する
- ルーターの設置場所を変える
- 通信障害を確認する
- 新しいスマートフォンに買い替える
- 回線を乗り換える
通信が遅いと感じたときは、デバイス・ルーター・回線のどれに原因があるのかを考え、今回紹介した11個の対処法を試してみましょう。
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