2025年10月16日

VDSL方式の見分け方と通信速度が遅いときの理由・対処法について解説

目次

「マンションの光回線を媒介にしたインターネットの通信速度が遅い」このように感じることはないでしょうか?

実は同じ光回線であっても、配線方式の種類によって速度が変わります。マンションの光回線は、VDSL方式と呼ばれる配線方式を採用していることが多く、速度に影響を与えているのです。

本記事では、VDSL方式の見分け方や速度が遅いときの対処法について解説しています。

マンションの光回線が遅いと感じる方は、ぜひ参考にしてください。

集合住宅の3つの配線方式

マンションやアパートなどの集合住宅は、光回線の配線方式の種類によって、通信速度が変わってきます。

また、集合住宅ごとに配線方式は決まっているため、基本的に利用者が配線方式を選ぶことはできません。

集合住宅の配線方式には、次の3つがあります。

  • 光配線方式
  • LAN方式
  • VDSL方式

以下では、光回線の配線方式ごとの仕組みや違いについて解説していきます。

光配線方式

光配線方式とは、各部屋の光コンセントまで光ファイバーケーブルを引き込む配線方式です。

自宅近くの電柱から光ファイバーケーブルを屋内の各部屋まで引き込む接続方式となり、光ファイバーケーブルのみで接続することから通信速度が低下しづらい特徴があります。

光配線方式は、戸建て住宅や一部の集合住宅で採用されています。

LAN方式

LAN方式は、LANケーブルと光ファイバーケーブルの両方を利用してインターネットに接続する接続方式となり、主にマンションやアパートなど集合住宅で使われています。

LAN方式は、光回線に使用する光ファイバーケーブルを近くの電柱から集合住宅内にあるMDF(主配線盤)まで引き込み、そこから各部屋までLANケーブルを使って接続する仕組みです。

途中からLANケーブルに変換するため、各部屋まで光ファイバーでつなげている光配線方式に比べて通信速度が遅くなる場合があります。

VDSL方式

VDSL(Very high-bit-rate Digital Subscriber Line)は、既存の電話回線と光ファイバーケーブルの両方を利用してインターネットに接続します。

光回線に使用する光ファイバーケーブルを、近くの電柱から集合住宅内にあるMDF(主配線盤)まで引き込み、そこから各部屋まで電話回線(メタルケーブル)を使って接続する仕組みです。

VDSL方式は、主にマンションやアパートなどの集合住宅で使われています。

光ファイバーケーブルを途中で電話回線に変換しているため、各部屋まで光ファイバーでつなげている光配線方式に比べると通信速度は遅くなる場合があります。

自宅マンションはどの配線方式?VDSL方式かどうかの見分け方

新築のマンションでは光配線方式を採用することが多いですが、一方でもともとあるマンションでは従来のVDSL方式を採用していることが多く、光配線方式に対応していないケースもあります。

自宅マンションの光回線がどの配線方式なのかは、以下の方法で見分けられます。

  • 問い合わせをして確認する
  • コード差し込み口から判別する
  • 終端装置の種類から判断する

問い合わせをして確認する

1つ目の確認方法は、マンションの管理会社やオーナーに直接問い合わせを行い、どの配線方式かどうかを確認する方法です。

光回線を媒介にしたインターネットの接続方式は通信速度に影響を与えるため、これから引っ越しをする方は、入居前にチェックしておきたいポイントといえるでしょう。

すでに入居をしているマンションの場合でも問い合わせは可能ですが、管理会社が接続方式について把握していなかったり、オーナーが接続方式について詳しくなかったりするケースも考えられます。

そのような場合には、以下で解説する判別方法を試してみてください。

コード差し込み口から判別する

VDSL方式かどうかの見分け方は、コードの差し込み口であるコンセント部分からも判別可能です。

光配線方式の場合には、光ファイバーケーブルとONUを接続するための光コンセントが部屋の壁に設置されており、コンセントに「光コンセント」や「光コンセントSC」と記載されています。

一方でVDSL方式の場合は、電話回線と同じ差し込み口です。差し込み口に電話のマークや「TEL」などの記載がある場合にはVDSL方式だと判断できます。

コンセントに「LAN」と記載されている場合は、LAN方式です。

終端装置の種類から判断する

光回線を契約した後に届いた終端装置からも、配線方式を判別できます。

終端装置の側面に「ONU」と記載されていれば光配線方式、「VDSL」と記載されていればVDSL方式です。

LAN方式は壁に設置されていたLAN専用差し込み口に、LANケーブルでWi-Fiルーターを直接つなぐため、終端装置などの機器自体がありません。

VDSL方式の通信速度が遅い2つの理由

VDSL方式が光配線方式に比べて遅い理由には、次の2つがあります。

  • 電話回線を使用している
  • 共有回線で使用している

電話回線を使用している

VDSL方式は、電話回線を使用していることが原因で光配線方式よりも通信速度が遅くなります。

光配線方式では光ファイバーケーブルを直接自宅まで引き込みます。一方でVDSL方式では、屋内まで光ファイバーケーブルが引き込まれているものの、各部屋への接続には電話回線(メタルケーブル)を使用しています。

光ファイバーケーブルとメタルファイバーケーブルの素材と性能には、次のような違いがあります。

ケーブルの種類光ファイバーケーブルメタルケーブル
導線の素材光ファイバー(石英ガラスやプラスチック)
通信方法光信号でデータを送受信電気信号でデータを送受信

光配線方式とVDSL方式では、ケーブルの種類の違いから通信方法が異なるため、通信速度に違いが生じるのです。

光ファイバーケーブルは、データを光の点滅信号に変換し、データを送受信します。

一方でメタルケーブルはデータを変調させた電圧に変換し、データを送受信する仕組みです。

電圧を変調する速度は光の点滅に比べて遅いため、メタルケーブルを使った通信速度は光ファイバーよりも遅くなります。

共有回線で使用している

VDSL方式が光配線方式に比べて遅い理由は、「共有回線」であるためです。

電柱からマンションの共有スペース(MDF)まで引き込んだ光ファイバーケーブルは、マンションの共有スペース(MDF)から電話線に切り替えて各部屋につなげています。

VDSL方式では、1本の回線をマンション内の各部屋でシェアしているため、インターネットの利用が集中したときに通信速度が低下しやすいです。

インターネットを利用するユーザーが増える夜や週末は、特に通信速度が低下しやすい傾向があります。

VDSL方式の通信速度を改善するための対処法

住んでいるマンションがVDSL方式で通信速度が遅い場合の対処法には、次の3つがあります。

  • ルーターを買い替える
  • 有線LANで接続する
  • 配線方式を変更する

通信速度が遅くてお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。

ルーターを買い替える

通信速度を改善する方法の1つ目は、ルーターの買い替えです。

Wi-Fiルーターには、「Wi-Fi7」「Wi-Fi6」「Wi-Fi5」「Wi-Fi4」と呼ばれるWi-Fi規格があり、その規格ごとに最大通信速度は変わってきます。

Wi-Fiルーターの通信規格による通信速度の違いは、次の通りです。

Wi-Fi(ワイファイ)規格通信規格周波数帯最大通信速度
Wi-Fi7IEEE802.11be2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯46Gbps
Wi-Fi6IEEE 802.11ax2.4GHz帯/5GHz帯9.6Gbps
Wi-Fi5IEEE 802.11ac5GHz帯6.9Gbps
Wi-Fi4IEEE 802.11an2.4GHz帯/5GHz帯600Mbps

「Wi-Fi7」「Wi-Fi6」「Wi-Fi5」「Wi-Fi4」の順番に新しいモデルとなり、最大通信速度も速くなります。

現在古いWi-Fi規格のルーターを使用しているのであれば、Wi-Fi5以上のルーターに買い替えることで速度が上がる可能性があります。

ただし、パソコン自体が通信規格に対応していないケースでは無線LANを変えても速度は変わらないため、パソコンのスペックも確認しましょう。

有線LANで接続する

通信速度を上げるためのもっとも簡単な方法は、有線LANで接続してパソコンを使うことです。

有線LANとは、ONUまたはルーターとパソコンをLANケーブルでつないで使う接続方法です。

有線LANでの接続は、Wi-Fiのように障害物や距離に影響を受けることがないため、速くて安定した通信が行えます。

LANケーブルでパソコンをつなぎながら使用する必要はありますが、手軽に試せるため、Wi-Fiの電波が悪いと感じる方は、一度有線接続で使ってみましょう。

配線方式を変更する

根本的な速度の改善方法は配線方式の変更です。

ただしVDSL方式を光配線方式に変更するには、1部屋のみ工事することは難しく、基本的にはマンション全体に大掛かりな工事を行います。

そのためVDSL方式を光配線方式に勝手に変更することはできず、まずは管理会社やオーナーへの相談が必要になります。

VDSL方式を光配線方式に変更したい場合は管理会社へ相談が必要

マンションの光回線は、独断でVDSL方式から光配線方式に変更できないため、マンションの管理会社やオーナーへ連絡して相談しましょう。

配線方式を変更するには、マンション全体での工事が必要となり、マンションの管理会社やオーナーから回線業者へ工事を依頼してもらうことになります。

「VDSL方式を光配線方式に変更したい」と考えているのであれば、光配線方式に変更できるかどうかをまずは管理会社に問い合わせてみましょう。

工事するには施工期間がかかり、施工費用も発生することから、配線方式の変更は簡単にできるものではなく、管理会社やオーナーの承諾が得られないケースもあります。相談しても変更が難しい場合には、工事が不要なモバイルルーターやホームルーターに乗り換えるのも一つの方法です。

VDSL方式以外の選択肢にはモバイル回線がおすすめ

VDSL方式の最大通信速度は、下り100Mbps/上り50Mbps程度です。インターネットの作業内容によっては、最大通信速度自体が足りないと感じることもあるでしょう。

光回線でもVDSL方式を採用しているマンションでは、モバイル回線のほうが最大通信速度が速くなるケースも多いため、乗り換えることで今よりもインターネットが快適になる可能性があります。

自宅用としておすすめのモバイル回線には、次の2種類があります。

  • ホームルーター
  • モバイルルーター

以下では、ホームルーターとモバイルルーターの最大通信速度や特徴について解説していきます。

ホームルーター

ホームルーターとは、モバイル回線を利用してインターネットを行う自宅据え置き型の通信機器です。

SIMカードを使いモバイル回線に接続する仕組みで、工事不要で自宅のコンセントに挿すだけですぐにWi-Fiが使用できます。

モバイル回線を採用している点はスマートフォンも同様ですが、ホームルーターは複数台接続する専用機器として設計されているため、固定回線のように同時に複数台の接続が可能です。

ホームルーターの最大のメリットは、契約直後からすぐにWi-Fiが使えることです。回線工事を必要としない点は、光回線との大きな違いといえるでしょう。

ベイコムは、兵庫・大阪エリアで使えるホームルーター「Baycom LTE」を提供しています。データ使用量無制限のWi-Fiが利用可能です。

兵庫・大阪エリアのマンションやアパートでWi-Fi利用をお考えの方は、ホームルーター「Baycom LTE」を検討してみましょう。

※詳しい提供エリアは、ベイコムサービス提供エリアをご確認ください。

モバイルルーター

モバイルルーターとは、持ち運び可能な小型のWi-Fiルーターです。

スマートフォン同様にSIMカードを挿入してモバイル回線を利用する仕組みとなり、どこでもWi-Fiが使えるようになります。

「スマートフォンでテザリングするのと同じではないのか?」と思うかもしれませんが、バッテリーの持ちの良さや同時接続台数の多さがスマートフォンとの大きな違いです。

たまに外出先でテザリングする程度であればスマートフォンでよいですが、テザリングを頻繁にする場合や自宅のWi-Fiとしても使用する場合にはモバイルルーターがおすすめです。

ベイコムでは兵庫・大阪エリアで使えるモバイルルーター「Baycom WiMAX+5G」を提供しています。Baycom WiMAX+5Gの速度は、下り最大通信速度2.2Gbps・上り最大通信速度183Mbpsと高速で、5Gにも対応しています。

兵庫・大阪エリアで WiMAX+5Gのモバイルルーターを使うなら、ベイコムをご検討ください。

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まとめ

マンションで利用する光回線には、「光配線方式」「VDSL方式」「LAN方式」の3つの接続方式があります。

VDSL方式やLAN接続方式は、各部屋まで光ファイバーケーブルが引き込まれていないことから、光配線方式に比べて通信速度は遅くなります。

配線方式は勝手に変更することはできないため、光配線方式に変更したい方は、まずはマンションの管理会社やオーナーに変更できないかどうかを相談してみましょう。

ただし、マンションの配線方式変更は簡単な工事ではないため、マンションによっては相談しても承諾されないケースもあります。

配線方式が変更できない場合には、ホームルーターやモバイルルーターへの乗り換えがおすすめです。

ベイコムでは、「Baycom LTE」や「Baycom WiMAX+5G」を提供しています。

Baycom WiMAX+5Gの速度は、下り最大通信速度2.2Gbps・上り最大通信速度183Mbpsと高速で、5Gにも対応しています。

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