2025年09月26日

5G(ファイブジー)が遅いときやつながらないときの原因と対処法!4Gや光回線との違いも解説

目次

5Gは、「高速・大容量」「低遅延」「多数同時接続」を特徴とする次世代の通信規格として注目されています。しかし、実際に使ってみると「思ったより遅い」「急につながらなくなった」といったトラブルに直面することも少なくありません。特にスマートフォンやタブレットで5Gを利用している場合、エリアや環境によって通信品質が大きく左右されることがあります。

本記事では、5Gが遅い・つながらないと感じる原因を分かりやすく解説し、それぞれの状況に応じた対処法を紹介します。これから5Gを快適に使っていきたい方や、モバイル回線の乗り換えを検討している方はぜひ参考にしてください。

5Gの基礎知識

ここでは、5Gの基礎知識に関する内容を解説していきます。

そもそも5Gとは

5Gとは、「第5世代移動通信システム(5th Generation)」の略で、従来の4Gに続く新しい通信規格です。5Gは、主に以下の3つの特徴を持っています。

  • 高速・大容量通信:4Gに比べて通信速度が10倍以上に向上し、動画の高画質ストリーミングや大容量のファイル転送も快適に行えます。
  • 超低遅延:通信の遅延がごくわずかで、リアルタイム性が求められるオンラインゲームや遠隔操作、リモート医療などでも活用が期待されています。
  • 多数同時接続:一つのエリア内で、より多くの端末が安定して同時に接続できるようになります。

これらの性能向上によって、5Gはスマートフォンの通信だけでなく、自動運転やスマートシティ、工場の自動化など社会インフラ全体に関わる技術として注目されています。

5Gの周波数帯の特徴

5G通信の電波は、以下の3種類の周波数帯が使われます。それぞれにメリットとデメリットがあり、これが通信の「つながりやすさ」や「速さ」に影響しています。

  • ミリ波(mm Wave):30GHz~300GHzの高周波帯を利用し、非常に高速な通信が可能です。ただし直進性が高く、障害物に弱く、エリアも限定的です。
  • Sub6(サブシックス):6GHz未満の高周波数帯で、4Gと近い性質を持ち、エリアが広く屋内にも届きやすい特徴があります。ただし、通信速度はミリ波に比べるとやや劣ります。
  • NR化(New Radio):4G/LTEの周波数帯の一部を5Gとして使用する方法をNR化と呼びます。5Gの部類ではあるものの、実態は4G/LTEの周波数帯のため、通信速度はSub6やミリ波に劣ります。

これまでより高速通信が可能となった5Gですが、高周波帯は電波が届くエリアが狭くなるというデメリットもあります。さらに、建物の陰や地下、郊外では電波が届きにくくなることがあり、これが「つながりにくい」と感じる一因になっています。

5Gの対応エリア

日本国内では、大手通信キャリアが5Gのエリア拡大を進めています。しかし、5Gの通信エリアはまだ全国に十分に広がっておらず、特に地方や山間部では非対応の地域も多いのが現状です。

また、都市部であっても、ビルの中や地下街などでは5Gが届きにくく、自動的に4Gに切り替わるケースも珍しくありません。さらに、5Gの中でもミリ波を使った高速通信は、一部の限られた場所でしか利用できない場合があります。

通信品質は場所や環境に大きく左右されるため、契約前に各キャリアの提供エリアマップを確認することが重要です。対応エリア内でも、屋内・屋外の電波状況には差があることを理解しておきましょう。

5Gと4Gの違いを比較

4Gは、「第4世代移動通信システム(4th Generation)」の略称で、第4世代目にあたる通信規格です。音声通話とデータ通信の両方を安定して提供できるため、長年にわたってスマートフォン通信の主流となっています。

5Gと4Gはどちらもモバイル通信に使われることの多いネットワークですが、性能には大きな違いがあります。ここでは、通信速度、対応エリア、対応端末などの観点から、両者の違いを分かりやすく解説します。

通信速度

通信速度の速さは、5G通信の最大の特徴です。5Gと4Gの最大通信速度を比較すると、以下のように両者の違いは明確です。

通信速度5G4G
上り最大10Gbps程度最大数百Mbps程度
下り最大20Gbps程度最大1Gbps程度

5Gの通信速度は、下りが最大20Gbps程度まで可能となり、ストリーミングやオンラインゲーム、クラウドサービスなど、データ量の多い用途で真価を発揮します。最大通信速度はあくまで理論上の数値のため、実測値はこれより下がりますが、5Gであれば4Gの約20倍もの通信速度が可能なわけです。

対応エリア

4Gの電波は、全国ほぼすべてのエリアで利用可能です。地下鉄、山間部、郊外でも安定して接続できるため、現在でもメインの通信手段として利用されています。

対して現在エリア拡大中の5Gの電波は、都市部では徐々に対応が進んでいるものの、地方では対応していない地域も多く、建物の中や地下では4Gに切り替わるケースもあります。

さらに、高速通信が可能な「ミリ波」に至っては、一部の限られたエリアでしか使えないのが現状です。そのため現時点では、5Gに比べて4Gのほうが広範囲のエリアをカバーしているのが現状です。

対応端末

5Gを利用するには、5Gに対応した端末が必要です。現在ではiPhoneやAndroidの最新機種を中心に多くの端末が5Gに対応していますが、古いスマートフォンは4Gのみの対応となっているものもあります。一方で、4Gはほぼすべてのスマートフォンに対応し、ガラホや格安スマホでも利用できます。

5Gと光回線の違いを比較

5Gと光回線では、そもそも回線の種類が異なります。5Gはモバイル回線、光回線は固定回線の光回線を用いた回線です。

どちらも高速インターネットを実現できますが、それぞれに向いている使い方があります。ここでは、回線の種類・通信速度・通信の安定性の観点から違いを詳しく見ていきましょう。

回線の種類

5Gは通信規格の一種で、回線の種類はモバイル回線です。モバイル回線の通信方法は、スマートフォンなどの端末と基地局とが直接通信する仕組みなので、無線で通信が可能となります。光ファイバーのような物理的なケーブル接続が不要となり、場所を選ばずにどこでも利用できるという利点があります。

一方、光回線は、光ファイバーケーブルを自宅に引き込んで接続する固定回線です。通信品質が安定しやすい反面、利用場所が限られます。また、基本的には開通に工事が必要です。

通信速度

 5G(モバイル回線)光回線
上り通信速度最大10Gbps程度最大20Gbps程度
下り最大20Gbps程度最大20Gbps程度

5Gと光回線のどちらも下りの最大速度は20Gbps程度とされていますが、実効速度には差があります。

5Gの実効速度は場所や時間帯、周囲の電波状況に大きく左右され、数百Mbps~1Gbps前後となることが一般的です。対して光回線の実効速度は安定しており、プランや機器の性能にもよりますが、500Mbps~1Gbps程度が多くの家庭で実現可能です。そのため、高速かつ安定した通信を必要とする場面では光回線がより優位といえるでしょう。

通信の安定性

通信の安定性に関しては、光回線に軍配が上がります。5Gは無線通信のため、建物の影や障害物、混雑状況によって通信が不安定になりやすいというデメリットがあります。また、ミリ波を使う場合は電波が届きにくく、つながりにくいと感じることもあります。

対して光回線は有線接続でノイズの影響も少なく、時間帯や周囲の環境に左右されにくいため、安定した通信が可能です。特にテレワークやオンライン授業、動画配信といった用途に向いています。

5Gの通信速度が使えないとき・遅いときの原因

5Gは非常に高速な通信が可能ですが、実際に使ってみると「思ったより遅い」「そもそも5Gにならない」と感じることもあります。こうした問題には、回線や端末、周囲の環境など、さまざまな原因が潜んでいます。ここでは5G通信が遅いときや使えないときの主な原因を7つに分けて解説します。

①基地局から端末までの距離が遠い

5G通信は、基地局から発せられる電波を利用して、スマートフォンなどの端末に接続されるモバイル回線を用いた通信です。そのため、基地局との距離が遠くなると、電波が弱くなり、通信速度が低下する原因となります。

特に5Gは4Gよりも高周波を使っているため、高周波の特徴から電波の届く範囲が狭く、距離の影響を受けやすい欠点があります。

②電波を遮断する障害物が多い

5Gの電波は、障害物に弱い性質があります。特にミリ波は高周波帯の電波のため直進性が高く、ビルや壁、ガラス、金属製の構造物などの障害物に遮られると、通信が途切れたり遅くなったりします。屋内で使っていて5G通信が不安定な場合は、窓の近くに移動したり、障害物を避けた場所に移動したりすることで改善する可能性があります。

③対応エリア外で使っている

5Gは、まだ全国に広く展開されていないため、地方や郊外、地下などは5Gの対応エリア外となり、4G通信しかできないエリアも少なくありません。

スマートフォンの表示が「5G」ではなく「4G」「LTE」となっている場合は、通信が5Gに切り替わっていない状態です。利用エリアが5Gに対応しているかどうかは、各キャリアの公式サイトから確認できます。

④端末設定の5G利用がオフになっている

スマートフォンの設定で5G接続が無効になっていると、対応エリアにいても5Gは利用できません。5Gエリア内なのに5G通信ができない場合には、この設定で「無効」や「4G」が選択されている可能性があります。iPhoneとAndroid別に、以下の手順で設定を確認してみましょう。

iPhoneの設定

  1. 「設定」をタップ
  2. 「モバイル通信」をタップ
  3. 「通話のオプション」をタップ
  4. 「音声通話とデータ」をタップ
  5. 「5Gオート」にチェックが入っていることを確認

Androidの設定

  1. 「設定」をタップ
  2. 「インターネット」をタップ
  3. 「モバイルネットワーク」をタップ
  4. 「有線ネットワークの種類」をタップ
  5. 「5G」にチェックが入っていることを確認

※Androidは、端末の種類により名称が異なる場合があります。

設定を確認し、「5Gオート」や「5G」に変更することで、5Gのエリア内では自動的に5Gに切り替わるようになります。

⑤端末が5Gに対応していない

当然ながら5Gに対応していない端末では、どれだけ5Gエリアにいても5G通信は使えません。古いスマートフォンや一部の格安機種では、5Gの通信規格に非対応のものもあります。端末が5G対応かどうかは、メーカーや購入元のサイトなどから確認できます。

⑥5G非対応のSIMを使っている

一部の格安SIMは、5Gに対応していないこともあります。5Gに対応している機種を購入してもSIM自体が対応していないと、5G通信はできません。格安SIMの多くは5Gに対応していますが、中には4Gしか使えない格安SIMもあるため、格安SIMを契約していて5G通信ができないという場合は、一度契約内容を確認してみましょう。

⑦端末の一時的な不具合

スマートフォンのソフトウェアやネットワーク機能に一時的な不具合や接続エラーが発生していることもあります。これにより、5Gのエリア内にもかかわらず、5G通信ができない可能性も考えられます。

5Gが遅いときの対処法

5G対応エリアにいるのに通信が遅かったり、思うような速度が出なかったりする場合は、端末や設定、周囲の環境になんらかの原因があるかもしれません。ここでは、すぐに実践できる対処法を5つ紹介します。順番に確認し、5G通信の快適さを取り戻しましょう。

①端末を再起動する

スマートフォンが長時間動作していると、バックグラウンドで不要な処理が蓄積され、通信機能に不具合が出ることがあります。その場合、端末を一度再起動することで、ネットワーク接続がリセットされ、通信速度が改善されることがあります。

また、一時的な接続エラーやソフトウェアのバグも再起動で解消されるケースが多いため、最初に試してみるべき簡単な対処法です。

②OSをアップデートする

スマートフォンのOS(オペレーティングシステム)が古いままだと、5G通信との相性が悪くなることがあります。特に新しい周波数帯やネットワーク機能への対応が遅れる場合があるため、最新のアップデートが提供されている場合は適用しましょう。

③データ通信制限されていないか確認する

契約しているモバイルプランによっては、月間データ容量の上限を超えると通信速度が制限されることがあります。この制限下では、たとえ5G回線を使っていても、速度が極端に落ちることがあります。

通信キャリアのアプリなどで、現在のデータ使用状況を確認し、速度制限がかかっていないかをチェックしてみましょう。

④本体容量を確認する

スマートフォンの内部ストレージ(本体容量)がほとんど埋まっていると、アプリや通信処理がスムーズに行えなくなり、速度低下の原因になることがあります。特に一時ファイルやキャッシュが大量にたまっていると、動作が重くなりがちです。

不要な写真・動画・アプリを削除したり、キャッシュをクリアしたりすることで、通信を含めた端末全体のパフォーマンス改善が期待できます。

⑤バッテリー節約モードをオフにする

スマートフォンの「バッテリー節約モード」や「低電力モード」をオンにしていると、通信速度やバックグラウンド通信が制限されるため、バッテリーを長持ちさせる代わりに、5G通信が制限される場合もあります。

通信速度を優先したいときは、設定から節電モードをオフにして、通常の状態で通信を行ってみましょう。

まとめ

5Gは高速・低遅延な通信が期待される次世代のネットワークですが、実際には「遅い」「つながらない」と感じることも少なくありません。そうしたトラブルの多くは、基地局との距離や障害物、エリア外の利用、端末設定など、特定の原因によって引き起こされています。

まずは、自分が利用している場所や端末の状況を冷静に確認することが重要です。「5Gの設定がオフになっていないか」「対応端末かどうか」「エリア内かどうか」といった基本的なチェックから始めましょう。その上で、再起動や場所の移動、OSのアップデートなど、簡単にできる対処法を実行することで、多くの問題は改善が期待できます。

また、5Gはまだ発展途上の通信インフラであり、今後エリアや速度の面でもさらに向上していくと考えられます。焦らず、今の環境に応じた対処を行い、快適な通信環境を整えていきましょう。

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