
「データのダウンロードが遅すぎてイライラする」「インターネットは繋がっているのに、なぜかページの表示速度が遅い」そんな経験はありませんか?
動画やソフトウェアのダウンロードが遅いと、仕事や趣味の効率にも大きな影響が出てしまいます。特に最近では、リモートワークやオンライン学習などで高速通信が求められる場面が増えており、インターネットのダウンロード速度は無視できない問題です。
この記事では、ダウンロード速度が遅くなる10の原因を取り上げ、有効な対処法をわかりやすく解説します。初心者の方でもすぐに試せる方法から、より専門的な改善策まで幅広く紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ダウンロード速度が遅い時に考えられる10の原因
①回線が混雑している
パソコンのダウンロード速度が遅くなる原因の一つに、「回線の混雑」があります。
回線とは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスをインターネットに接続するための通信回路のことで、回線が混み合うと、データの送受信に時間がかかり通信速度が低下します。
そのため、多くの人が同時にインターネットを利用する夜間や週末は、回線が混雑しやすく通信速度が低下することがあります。
また、集合住宅タイプのインターネット回線を使っている場合、同じ建物内の住人が同時に利用すると、回線設備を共有している関係で速度が低下することもあります。
②パソコンのスペック不足
常に通信速度が遅い場合は、パソコンのスペック不足が原因かもしれません。
特にCPUの処理能力が低かったりメモリ容量が少なかったりすると、複数のアプリやブラウザを同時に使っているときにパフォーマンスが低下し、結果的に速度が遅いと感じことが多いでしょう。
また、HDDタイプのストレージを使っているケースでは、SSDに比べてデータの書き込み速度が遅いため、大容量のデータをダウンロード・保存する際に時間がかかることがあります。
③周辺機器のスペック不足
スペックに問題のないパソコンを使っているのに通信速度が遅いと感じる場合には、周辺機器のスペック不足が原因の可能性もあります。
Wi-FiルーターやLANケーブルは、対応する通信規格によって最大通信速度が決まっているため、古い通信規格のものを使っていると、本来の回線速度を十分に引き出すことができません。
④複数のアプリが起動している
パソコンで複数のアプリやブラウザのタブを同時に開いていると、CPUやメモリなどのリソースが圧迫され、ダウンロード処理に十分なパワーが割り当てられないことがあります。
さらに、クラウドやセキュリティソフトなどがバックグラウンドで動作している場合も、イ ンターネット回線の通信量が分散するため、ダウンロード速度が遅くなります。
⑤パソコンのOSが古い
パソコンのOS (オペレーティングシステム)のバージョンも、ダウンロード速度に影響を 与えます。
OSのアップデートは、セキュリティを向上させるだけでなく、不具合を改善したり、新た な機能を追加したりしてくれるため、パソコンを安全に快適に使う上で欠かせない作業で す。
OSが古いパソコンは、通信処理の最適化が不十分だったり、最新のドライバーやソフトに 対応していなかったりするため、パソコン自体の動作に影響を及ぼし、結果としてダウンロード速度が遅いと感じる可能性があります。
⑥ウイルスに感染している
パソコンがウイルスやマルウェアに感染していると、正常な動作が妨げられ、ダウンロード 速度が極端に遅くなることがあります。
悪質なプログラムがバックグラウンドで常に動作していたり、無断でインターネット通信を 行っていたりすること、CPUやメモリ、ネットワーク帯域を消費し、全体的なパフォーマ ンスが低下してしまいます。
情報を盗み取るタイプのマルウェアも存在し、個人情報や通信データが外部に送信されている可能性もあるため、セキュリティ面でも大きなリスクとなります。
⑦ダウンロードするデータ容量が膨大すぎる
ダウンロードしようとしているデータ容量が非常に大きい場合には、普段よりもダウン ロードに時間がかかります。
例えば、数GB~数十GBに及ぶゲームソフトや動画編集用素材、OSのインストールデータなどは、回線速度に関係なく完了までに時間がかかるのが一般的です。
また、複数の大容量データを一括でダウンロードしている場合は、パソコンにかかる負荷 も増え、さらに時間がかかります。
⑧Wi-Fiの電波が不安定
Wi-Fiを利用している場合、電波の状態によってはダウンロード速度が極端に遅くなること があります。
電波が弱かったり途切れがちだったりすると、通信が途中で停止したり再試行されたりする ため、ダウンロードにかかる時間が長引いてしまいます。
Wi-Fiの電波が不安定になる主な原因としては、ルーターとの距離が遠い、間に壁や家具な どの障害物がある、電子レンジなどの家電と電波干渉しているといったことが挙げられます。
⑨通信制限がかかっている(モバイル通信の場合)
インターネット回線に通信制限がかかっている場合、ダウンロード速度が著しく低下することがあります。
これは、決められたデータ量を超えて通信を行った際に、契約しているプロバイダやモバイ ル回線の事業者が速度を意図的に制限しているためです。 モバイルルーターやスマートフォンのテザリングでWi-Fi通信するケースでは、1日や1カ月 のデータ通信量が上限を超えると、通信速度が数百kbps程度に制限されることがあります。
その結果、通常数分で終わるはずのダウンロードが数時間かかってしまったり、途中で止まったりしてしまうことがあります。
⑩プロバイダ側の問題
契約しているインターネットサービスプロバイダ (ISP) 側が原因となり、ダウンロードが遅くなったり、ダウンロードができなくなったりすることもあります。
例えば、プロバイダ側でメンテナンスが行われていたり、一時的な通信障害が起きていたりすると、その間は通信ができなくなるか、通信が不安定になることがあります。
パソコンのダウンロードが遅い時の対処法

ここからは、パソコンのダウンロード速度が遅い時の対処法を紹介していきます。
時間帯を変えてダウンロードする
回線の混雑に影響を受けやすいのであれば、混雑の少ない時間帯(早朝や深夜など)にダウ ンロードを試すことで、速度が大幅に改善する可能性があります。
大容量データのダウンロードやゲームのアップデートなどは、自動で夜中に行うようスケ ジューリングするのも有効です。あらかじめダウンロードの自動設定をしておけば、寝ている間に終了するため、効率的にダウンロードを行えます。
分割してダウンロードする
大容量データを一度にダウンロードしようとすると、回線に大きな負荷がかかり、結果と してダウンロード速度が遅くなることがあります。
このような場合は、データを複数の小さなパーツに分割してダウンロードする方法が有効 です。中には分割してダウンロードできないデータもありますが、クラウドストレージやファイル転送サービスなどには、データを複数のパートに分けてダウンロードできるものも あります。
使っていないアプリを終了する
ダウンロードの速度を速くしたいなら、ダウンロードを始める前に使っていないアプリやタ ブを終了させることが重要です。
使っていないアプリやブラウザのタブが開かれていると、ダウンロードに通常よりも時間が かかってしまいます。
また、どのアプリがリソースを多く使っているのか確認することも重要です。タスクマネー ジャーを使えば、どのアプリがネットワークやリソースを多く使っているかが分かります。 Windowsの場合は、「Ctrl + Shift + Esc」を押下、Macの場合は「Command+Spaceber」を押下後「アクティビティモニタ」と入力すると簡単に確認できるので、ぜひ実行してみてください。
パソコンのOSを最新にする
パソコンのOSをアップデートせずにいると、ネットワーク機能に不具合が生じたり、通信 処理が最適化されなかったりして、結果的にダウンロード速度が遅いと感じることがありま す。
OSのアップデートには、通信処理の改善やセキュリティの強化、パフォーマンスの向上が 含まれます。安定したダウンロード環境を維持するためにも、OSを最新の状態へ保つよう にしましょう。
また、古いOSでは最新のブラウザやソフトが正しく動作しないこともあり、それが 間接的にダウンロードの不具合につながるケースもあります。設定メニューから更新の確認ができるので、新たな更新がないかこまめにチェックしておきましょう。
セキュリティソフトを導入する
ダウンロードが遅い原因の一つとして、ウイルスやマルウェアの感染が挙げられます。
こうしたリスクを防ぐためには、信頼性の高いセキュリティソフトを導入し、定期的にスキ ャンを実施することが重要です。感染を未然に防ぐだけでなく、すでに潜んでいるマルウェ アを発見・駆除できれば、パソコンの動作や通信速度が改善されることもあります。
また、セキュリティソフトの中にはリアルタイムでネットワークの安全性を監視したり、不 審な通信をブロックしたりする機能が搭載されているものもあり、安心してデータをダウ ンロードできる環境づくりにも役立ちます。
有線でダウンロードする
ダウンロード速度を上げたいなら、LANケーブルを使ってパソコンをモデムやルーターに直接接続する「有線接続」もおすすめです。
有線接続であれば、安定した通信速度が確保でき、Wi-Fi接続時よりもダウンロードがスムーズに進む可能性が高くなります。
特に、大容量データのダウンロードやゲーム・ソフトのアップデートを行う際は、 有線接続のほうが効率よくダウンロードできるため、一時的にでも有線に切り替えることを おすすめします。
通信制限を解除する
モバイルWi-Fiやスマートフォンのテザリングを活用してパソコンを使っている場合には、 モバイル回線の通信制限によりダウンロードが遅くなるケースがあります。
もし急に通信速度が遅くなったと感じた場合は、契約している回線事業者のマイページやア プリで通信量の確認を行い、制限がかかっていないかをチェックしてみましょう。
通信制限が原因であれば、月が変わるのを待つことで、データ容量がリセットされて翌月か ら通常の速度に戻ります。
すぐに速度を戻したい場合には、マイページやアプリから有料で通信制限の解除が行えます。今後の対策としては、より大容量のプランへの変更を検討するのも有効でしょう。
それでも改善しない場合の対処法
ここまでの対処法を試しても改善しない場合は、以下の方法も検討してください。
パソコンを買い替える
さまざまな対処法を試してもダウンロードの遅さが改善されない場合、パソコン自体の性能が原因になっている可能性があります。特に、古い機種やスペックが低いパソコンでは、最新の通信環境やソフトウェアに対応しきれず、CPUやメモリのスペック不足によって通信処理が追いついていない可能性があります。
例えば、以下のような状態に当てはまる場合は、買い替えを検討するサインかもしれませ ん。
- 普段から起動や動作が遅い
- 頻繁にフリーズする
- HDD搭載で、読み書き速度が極端に遅い
現代のパソコンは、SSD搭載・Wi-Fi6対応・十分なメモリ(8GB以上)を備えたモデルが標準となっており、新しいパソコンに乗り換えることで、ダウンロード速度だけでなく全体の作業効率も格段に向上します。
一時的な問題ではなく、根本的なスペック不足が原因である場合は、買い替えがもっとも確実な解決策といえるでしょう。
ルーターを買い替える
ダウンロードが遅い原因がパソコン側ではなく、ルーターにあるケースも少なくありません。
特に、古いルーターや低スペックのルーターを使っていると、通信速度や安定性に大きな影響が出ることがあります。
以下のような場合は、ルーターの買い替えを検討するタイミングかもしれません。
- 5年以上同じルーターを使っている
- Wi-Fi6(IEEE 802.11ax)非対応
- 複数の機器をつなぐと途端に遅くなる
- 頻繁に接続が切れる・通信が不安定になる
オンラインゲームや動画の視聴、大容量データのダウンロードを頻繁に行う家庭では、ルーターの性能差が体感的にも大きく表れます。
ルーターの買い替えは思わぬ出費かもしれませんが、通信環境を根本から改善するのには効果的な手段です。
まとめ
パソコンのダウンロードが遅くなる原因は、ネットワーク環境やソフトの設定、ハードウェアの状態など、さまざまな要因が絡み合っています。
この記事で紹介したように、まずはどこに問題があるのかを特定し、一つずつ原因を切り分けて対処していくことが大切です。
快適なインターネット環境は、日常の作業効率やストレス軽減にもつながります。ぜひこの記事を参考に、あなたのパソコン環境を見直してみてください。
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