
Wi-Fiは接続されているのに、ブラウザもアプリもネットにまったくつながらない…そんなとき、画面の右下や設定画面に「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と表示されて困った経験はありませんか?
本記事では、このエラー表示の意味から、よくある原因、端末側でできる対処法、さらには機器の買い替えや問い合わせ先まで、状況別に分かりやすく解説していきます。初心者の方でも順を追って確認できるよう、実践的な内容をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも「インターネットなし・セキュリティ保護あり」の状態とは?
パソコンやスマートフォンをWi-Fiに接続した際に、「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と表示されることがあります。
「インターネットなし」の意味は、Wi-Fiには接続されているものの、そのWi-Fi経由でインターネットにアクセスできない状態を示しています。つまり、ルーターやアクセスポイントまでは通信できているものの、その先のインターネットにつながっていないということです。
「セキュリティ保護あり」の意味は、そのWi-Fiネットワークがパスワードなどで保護されており、第三者が勝手に接続できない安全な状態であることを意味します。つまり、「Wi-Fiにはつながっているけど、ネットは見られない」という状況です。
「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と出る主な原因
「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と出る主な原因は、次の5つです。
①モデムの一時的な不具合
「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と表示される原因の一つに、モデムの一時的な不具合があります。
モデムは、インターネット回線と自宅のネットワークをつなぐ重要な機器です。Wi-Fiルーターが正常でも、モデムに問題が発生するとインターネットには接続できなくなります。特に以下のような状況で、一時的な不具合が起きやすくなります。
- 電源を長時間入れっぱなしにしている
- 雷や停電などで一時的な電気的ショックを受けた
- モデムの内部で処理がフリーズしている
このような場合、モデムが正常に通信できなくなり、「Wi-Fiはつながっているのにインターネットは使えない」という状態になります。
②ルーターの一時的な不具合
「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と表示される原因として、ルーターの一時的な不具合もよくあります。
ルーターは、モデムから受け取ったインターネット回線を、Wi-Fiとして各端末に分配する役割を担っています。
一時的な不具合の原因としては、以下のようなことが考えられます。
- ルーターが長時間稼働して熱を持っている
- 家電の電波と干渉して正常に通信できていない
- 接続している機器が多すぎて処理が追いついていない
モデムが正常でも、ルーター側に問題が起きると、Wi-Fiの電波は飛んでいて接続もできるのに、インターネット通信ができないという状況になります。
③端末の設定に問題がある
スマートフォンやパソコンの設定が原因となり、インターネットに接続できないことがあります。
具体的には、機内モードや省電力モードがオンになっていたり、Wi-Fi機能がオフになっていたりするケースです。
機内モードになっていると、Wi-FiやBluetoothといったさまざまな通信機能が使えなくなり、インターネットができません。省電力モードも機種によってはWi-Fi通信できなくなる可能性があります。
これらの端末設定は、思わぬタイミングでボタンを押してしまい、気づいたら間違った設定状態になっていることがあります。
④セキュリティソフトの干渉
「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と表示される原因の一つに、セキュリティソフトの干渉が挙げられます。
パソコンにインストールされているウイルス対策ソフトは、外部からの不正アクセスを防ぐために通信を監視・制御していますが、設定によっては正規のインターネット接続まで遮断してしまうことがあります。
特に、最近セキュリティソフトをインストール・更新した場合や、設定が誤っている場合に起こりやすいです。
⑤通信障害が起きている
「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と表示される原因として、通信障害の発生も考えられます。
通信障害とは、インターネット回線のプロバイダや、使用しているモバイル回線、光回線などの設備になんらかのトラブルが起きていて、正常にインターネット接続ができない状態のことです。
自宅のルーターや端末に問題がなくても、外部のトラブルの影響でインターネットにつながらなくなるため、ユーザー側では解決が難しい問題です。
「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と出たときの対処法

「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と出たときの対処法について、詳しく解説していきます。
モデム・ルーターの再起動
モデムやルーターは、24時間365日稼働し続けているため、一時的な不具合やエラーが蓄積されることがあります。その結果、インターネットに接続できなくなることもあるのです。
「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と表示された場合、まず試してほしいのがモデムとルーターの再起動です。システムを一度リセットすることで、不具合が解消されるケースは少なくありません。
- モデムとルーターの電源を切って1分ほど待つ
- モデムの電源を先に入れて、ランプが正常に点灯するまで待つ
- ルーターの電源を入れて、ランプが正常に点灯するまで待つ
- 端末からWi-Fiに再接続する
モデムやルーターの再起動は、インターネット接続のトラブル対処としてもっとも手軽かつ効果的な方法です。まずは一度、落ち着いて再起動を試してみましょう。
ファームウェアを更新する
ルーターのファームウェアが古いことも「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と出る原因になり得るため、ファームウェアをずっと更新していない場合は更新しましょう。
ルーターには、「ファームウェア」と呼ばれるソフトウェアが組み込まれています。これは、機器が正しく動作するためのプログラムであり、パソコンでいうところの「OS(オペレーティングシステム)」のような存在です。
このファームウェアが古いままだと、通信の安定性やセキュリティ面で問題が発生することがあります。その結果、「インターネットなし・セキュリティ保護あり」といったネットワークエラーの原因にもなります。
一般的なファームウェア更新の手順は、以下のとおりです。
- ルーターの管理画面にアクセスする
- 「ファームウェア更新」または「システム設定」などの項目を開く
- 最新バージョンの確認と更新の実行
- 再起動して完了
ルーター再起動後は、再びWi-Fiに接続し、インターネットが使えるか確認しましょう。メーカーによって手順が異なるため、詳しくは取扱説明書やメーカー公式サイトを確認してください。
通信障害の情報を確認する
自宅のWi-Fiに正常に接続できているのに「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と表示される場合、回線業者やプロバイダ側で通信障害が発生している可能性があります。
このような障害は、ユーザー側の設定や機器には問題がなくても、インターネットが使えなくなります。トラブルの原因が自分の環境にあるのか、外部にあるのかを切り分けるためにも、通信障害の情報を確認することは非常に重要です。
通信障害の原因は、プロバイダの設備トラブルやシステム不具合、通信回線の断線、天候や災害による物理的被害、計画的なメンテナンスなど多岐にわたります。
まずは、プロバイダや回線業者の公式サイトの「お知らせ」「障害情報」「メンテナンス情報」ページを確認したり、SNSから「○○(プロバイダ名) 障害」などで検索したりして、通信障害が起きているか確認しましょう。
通信障害が確認された場合は、ユーザー側でできる対処は限られており、基本的には復旧を待つしかありません。復旧までの間は、スマートフォンのモバイルデータ通信やテザリングなどの代替手段を活用するとよいでしょう。
端末の再起動
端末を再起動することで、一時的な不具合を解消し、接続が正常に戻ることがあります。
再起動した後は、Wi-Fiに再接続されているか、通信アイコンにエラーマークがついていないかを確認し、インターネットに実際に接続できるか試してみてください。
端末の再起動はもっともシンプルな対処法ですが、接続トラブルがこれだけで解決することも多いです。原因がはっきりしないときほど、まずは基本的な再起動を試してみるのがおすすめです。
Wi-Fi設定を消去して再設定する
一度Wi-Fi設定を消去してから、もう一度Wi-Fi設定をやり直すことで、通信の不具合が改善されることがあります。
Wi-Fiの再設定は簡単にできる上、「インターネットなし・セキュリティ保護あり」以外にもさまざまな通信トラブルの解消に効果的なので、一度試してみてください。
OSをアップデートする
端末のOS(オペレーティングシステム)が古いバージョンのままだと、Wi-Fi機能やネットワーク機能に不具合が起きることがあります。
セキュリティ関連や通信まわりのバグが原因で「インターネットなし・セキュリティ保護あり」と表示されるケースも考えられるため、ずっとOSアップデートをしていない方は、一度OSアップデートを試してみてください。
OSアップデートには、過去に報告されたバグの修正やセキュリティ強化が含まれており、ネットワーク接続に関する改善も行われます。面倒に思えるかもしれませんが、定期的なアップデートは快適なインターネット利用には欠かせません。
セキュリティソフトを一度無効にしてみる
インターネットに接続できない原因として、セキュリティソフトが通信をブロックしているケースがあります。原因がソフトにあるかどうかを切り分けることもできるため、まずは一時的にセキュリティソフトを無効にしてみましょう。
セキュリティソフトはウイルスや不正アクセスから端末を守るために強力な監視を行っていますが、過剰にセキュリティが強かったり誤検出があったりすると、正常なネットワーク通信までブロックしてしまうことがあります。セキュリティソフトを無効化してみるだけで、これが原因かどうかを確認でき、根本的な設定見直しにつながります。
それでも改善しないときの対処法
ここまでの対処法を試しても改善されない場合は、以下の方法も試してみてください。
プロバイダに問い合わせる
自分でできる対処法を一通り試しても「インターネットなし・セキュリティ保護あり」の状態が改善しない場合は、契約しているインターネットプロバイダ(回線業者)に問い合わせしましょう。
電話問い合わせであれば、オペレーターと電話をしながらトラブルシューティングを試せるほか、より具体的なサポートが期待できます。
問い合わせの際は、事前に契約者情報(契約番号、登録名義など)を用意したり、現在の状況を簡潔に伝えるように話す内容を考えておいたりすると、よりスムーズに対応してもらえるでしょう。
端末購入元に問い合わせる
すべての対処法を試し、さらにプロバイダへ問い合わせしても問題が解決しない場合、端末そのものに不具合があるかもしれません。ハードウェアの故障や、製造上の初期不良が原因となっているケースもあるため、端末を購入した店舗やメーカーのサポート窓口に問い合わせるのがおすすめです。
特に、新品購入後すぐに問題が出た場合は初期不良の可能性が高いため、早めに購入元に相談することで、無償交換や修理対応を受けられることがあります。
問い合わせの際は、契約者情報のほかにも端末の種類や購入日を聞かれるため、レシートや納品書などを手元に用意し、端末の型番やOSバージョンを確認しておくとよいでしょう。
ルーターを買い換える
何を試しても改善しない場合、原因はルーターそのものにあるかもしれません。長年使っているルーターや、古い規格のものを使用している場合、「インターネットなし・セキュリティ保護あり」といった接続不良の原因になることがあります。
常に電源が入り続けるルーターは、長年使っていると内部の部品が劣化していきます。また、古いモデルでは最新の暗号化方式や通信方式に対応しておらず、接続はできてもインターネットがうまく使えないことがあります。
ルーターの寿命は5年程度といわれているので、それ以上使っている場合には思いきってルーターの買い替えを検討するのもよいでしょう。
まとめ
「インターネットなし・セキュリティ保護あり」という表示は、Wi-Fiには接続できているものの、実際のインターネット通信ができていない状態を示しています。
原因はさまざまですが、まずは自分でできる対処法から順番に試し、それでも改善しない場合は、プロバイダや購入元に相談してみましょう。問題を一つずつ切り分けていけば、必ず原因にたどり着けるはずです。
快適で安定したインターネット環境を取り戻すためにも、焦らず丁寧に対処していきましょう。
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