
テレワークやオンライン授業が当たり前となった今、Web会議は私たちの日常業務に欠かせない存在となりました。しかし、「映像がカクつく」「音声が途切れる」「接続が不安定」といったトラブルに悩まされている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、代表的なWeb会議ツールであるGoogle MeetとZoomを例に、スムーズなWeb会議に必要な回線速度の目安を解説します。さらに、快適な会議を実現するための回線選びのポイントや、通信が不安定なときの対処法も併せてご紹介します。接続トラブルを減らし、ストレスのないWeb会議を実現するために、ぜひ参考にしてください。
Google MeetでWeb会議するケース
Google Meetは、Googleが提供するWeb会議が可能なビデオ通話サービスです。Googleアカウントさえあれば、個人でも無料で使えます。ブラウザまたは専用アプリ(iOS/Android)から手軽に開始できます。
必要な通信速度
Google MeetでWeb会議を行うために必要な通信速度は、以下のとおりです。
会議の種類 | 下り速度 | 上り速度 |
動画 | 1.3Mbps | 1Mbps |
音声のみ | 18kbps | 12kbps |
Google Meetは比較的低速な環境でも利用可能ですが、映像や音声が途切れず安定して利用するには、上り・下りともに5Mbps以上を確保しておくと安心です。
サポートされているOSバージョン
Google Meetは、以下の主要なオペレーティングシステムに対応しています。
- Windows:Windows 10以降
- macOS:macOSの最新バージョン3つのいずれか
- iOS:iOSの最新バージョン2つのいずれか
- Android:Androidの最新バージョン4つのいずれか
OSのバージョンが古いとGoogle Meetのサービスが利用できなかったり、一部の機能が使えなかったりすることがあります。古いOSを使っている場合は、まずはアップデートする必要があります。
サポートされているブラウザ
快適な会議を行うには、ブラウザを常に最新バージョンに更新しておくことが推奨されます。
Google Meetで通話と動画の両方がサポートされているブラウザは、以下のとおりです。
- Microsoft Edge:RS2 以降
- Microsoft Edge(Chromium ベース):最新バージョン3つのいずれか
- Google Chrome:最新バージョン3つのいずれか
また、Internet Explorerや古いバージョンのブラウザは、一部の機能しかサポートされていないため、ここで紹介しているブラウザの利用を検討しましょう。
ZoomでWeb会議するケース
Zoomは世界中で広く使われているWeb会議ツールで、リモートワークやオンライン授業、商談などさまざまな用途で活用されています。ここでは、Zoomを利用する際に必要な通信速度や対応しているOS・ブラウザなど、スムーズに利用するための基本情報を解説します。
必要な通信速度
Zoomでは、ビデオ通話の品質に応じて以下のような通信速度が必要になります。
通信内容 | 下り | 上り |
1対1の標準画質通話 | 600kbps | 600kbps |
1対1のHD画質通話(720p) | 1.2Mbps | 1.2Mbps |
1対1のフルHD画質通話(1080p) | 3.0~3.8Mbps | 3.0~3.8Mbps |
グループの標準画質通話 | 600kbps~1Mbps | 600kbps~1Mbps |
グループのHD画質通話(720p) | 1.8~2.6Mbps | 1.8~2.6Mbps |
グループのフルHD画質通話(1080p) | 3.0~3.8Mbps | 3.0~3.8Mbps |
実際にはネットワークの混雑状況やほかの端末の利用状況によって、これ以上の速度が必要になることもあります。安定した接続のためには、常時10Mbps以上の速度が出ていると安心です。
サポートされているOSバージョン
Zoomは、以下のOSバージョンに対応しています。
- macOS X(10.13)以降を搭載したmacOS X
- Windows 11
- Windows 10
注:Windows 10を実行するデバイスは、Windows 10 Home、Pro、またはEnterpriseを実行する必要があります。Sモードはサポート対象外です。 - Ubuntu 12.04以降
- Mint 17.1以降
- Red Hat Enterprise Linux 8.0以降
- Oracle Linux 8.0以降
- CentOS 8以降
- Fedora 21以降
- OpenSUSE 13.2以降
- ArchLinux(64ビットのみ)
Zoomは、OSのバージョンが古すぎるとアプリのインストールやアップデートができないため、OSは最新に保つことが推奨されます。
サポートされているブラウザ
Zoomは基本的にデスクトップアプリでの使用がもっとも安定していますが、ブラウザでも利用できます。以下は、Web版でZoomが利用できるブラウザです。
- デスクトップ
- Chrome:2バージョン前から最新バージョンまで
- Firefox:2バージョン前から最新バージョンまで
- Edge:2バージョン前から最新バージョンまで
- Safari:2バージョン前から最新バージョンまで
- モバイル
- Safari:2バージョン前から最新バージョンまで
- Chrome:2バージョン前から最新バージョンまで
- Firefox:2バージョン前から最新バージョンまで
一部のタブレット端末パソコンでは、ブラウザで使用するWeb版のZoomは利用できないため、その場合はZoomアプリを使用しましょう。
インターネットの速度をテストする方法を3つ紹介
Web会議がスムーズにできるかどうかを確認するには、現在のインターネット回線の速度を正確に把握することが大切です。ここでは、誰でも簡単にできる速度テストの方法を3つご紹介します。
Googleのスピードテストで計測する方法
もっとも手軽に速度を調べる方法の一つが、Google検索でのスピードテストです。
このスピードテストは、Googleが提携するMeasurement Lab(M-Lab)というサービスを利用しており、信頼性の高いデータをもとに結果が表示されます。専用アプリや会員登録も不要で、検索画面からすぐに計測を開始できるため、初心者でも簡単に使えます。
手順
- パソコンやスマートフォンでブラウザを開く
- Googleの検索窓に「スピードテスト」と入力して検索
- 検索結果の一番上に表示される「速度テストを実行」ボタンをクリック
- テストが始まり、数十秒程度で「ダウンロード速度」「アップロード速度」「Ping値(レイテンシ)」などが表示されます
時間帯や接続中の端末数によって結果は変動するため、数回試すのがおすすめです。Googleのスピードテストは、すぐに試せるシンプルな計測方法として非常に便利なので、自宅や職場の回線状態を確認したいときに活用してみましょう。
そのほかのサイトで計測する方法
Google以外にも、インターネットの通信速度を正確に測定できる便利なスピードテストサイトが多数あります。各サイトには独自の特徴があり、地域別の回線状況や詳細な測定結果を知りたい場合には特に役立ちます。以下に代表的なサービスとその特徴を紹介します。
サイト名 | 特徴 | URL |
Speedtest by Ookla | 世界中で広く利用されているスピードテストサイト。サーバーの選択が可能で、Ping値(レイテンシ)・ダウンロード・アップロードの詳細な計測が可能。スマホアプリもあり。 | https://www.speedtest.net/ |
Fast.com | Netflixが提供するシンプルな計測サイト。主にダウンロード速度を重視した測定で、動画視聴向けの回線チェックに最適。 | https://fast.com/ja/ |
USEN GATE 02 | 株式会社USEN ICT Solutionsが提供する日本国内向けの計測サイト。Ping値・ダウンロード・アップロード速度を測定可能。 | https://speedtest.gate02.ne.jp/ |
利用の流れ(共通)
- 各サイトにアクセスする
- 「開始」や「スタート」などのボタンをクリック
- 数十秒ほどで、ダウンロード・アップロード速度やPing値(レイテンシ)などが表示される
アプリで計測する方法
スマートフォンの速度を測定したい場合は、スピード測定サイトを利用する以外にも、スピード測定アプリを利用して測定することも可能です。
iOSならApp Store、AndroidならGoogle Playから、「通信速度測定」などと検索して、測定アプリをダウンロードして、測定を開始しましょう。測定方法はアプリにより異なりますが、基本的にはダウンロード後、測定スタートボタンを押すだけですぐに測定可能です。
通信速度が遅いときに試してほしい5つの対処法

Web会議中に映像が止まったり、音声が遅延したりする場合、通信速度が一時的に低下している可能性があります。そんなときは、以下の5つの方法を試すことで、通信環境が改善することがあります。
①Wi-Fiルーターを再起動する
まず試してほしいのが、Wi-Fiルーターの再起動です。長時間電源を入れっぱなしにしていると、ルーター内部の処理が不安定になり、通信速度が低下することがあります。
Wi-Fiルーターの再起動は、一時的な不具合を解消するのに効果的な方法です。手軽に試せるので、通信速度が遅いと感じたときは試してみましょう。
②端末を再起動する
使っているパソコンやスマートフォンのメモリ不足や一時的なソフトウェアの不具合が原因で、通信が遅くなることがあります。
特に、アプリをたくさん開いている状態や、長時間スリープ状態から復帰した後などは、再起動の効果が出やすいです。Wi-Fiルーターの再起動をしても効果がないときは、端末の再起動も試してみてください。
③端末のOSをバージョンアップする
古いバージョンのOSを使っていると、Wi-Fiとの相性やセキュリティの問題で通信が不安定になることがあります。OSを最新版にアップデートすることで、通信処理が改善されたり、Wi-Fi接続の安定性が向上したりすることがあります。
特にスマートフォンの場合、OSのアップデートに「Wi-Fiの通信性能向上」が含まれていることもあるため、定期的な確認をおすすめします。
④Wi-Fi接続台数を減らす
同時に複数の端末がWi-Fiに接続していると、通信帯域が分散されて速度が低下します。例えば、家族が同時に動画を視聴したりゲームしたりすると、Web会議の通信に影響が出ることがあります。
使用していない機器のWi-Fiをオフにするだけでも効果があります。また、使用中の端末に優先順位を設定できるルーターであれば、会議用の端末を優先接続に設定するのもおすすめです。
⑤有線接続する
もっとも確実な改善方法の一つが、パソコンをLANケーブルでルーターに直接つなぐ「有線接続」の活用です。有線で接続すれば、Wi-Fiの電波干渉や壁・家具による障害の影響を受けず、より安定かつ高速な通信が可能になります。特に重要な会議やプレゼンのある日は、有線接続を利用することで安心して進行できるでしょう。
まとめ
Web会議がスムーズに行えるかどうかは、インターネット回線の速度と安定性に大きく左右されます。ZoomやGoogle Meetなど、主要なWeb会議ツールにはそれぞれ推奨される通信速度があり、それを下回ると映像や音声に乱れが生じることがあります。
本記事では、Web会議に必要な通信速度の目安、使用している回線の確認方法、実際の速度を測る方法、そして通信が遅いと感じたときの対処法までを解説しました。中でも、スピードテストの実施やWi-Fi環境の見直し、有線接続の活用は、すぐに取り組める効果的な方法です。
在宅勤務やオンライン授業が日常化した今こそ、安定した通信環境を整えることが、生産性とストレス軽減につながります。ご自宅のインターネット環境を見直し、安心してWeb会議に臨める環境づくりをぜひ進めてみてください。
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