
「Zoomの音声が途切れる」「映像がカクカクして会議に集中できない」そんな経験はありませんか?
リモートワークやオンライン会議が定着した今、Zoomはビジネスや教育、プライベートでも欠かせないツールとなりました。しかし、いざというときに動作が重くなると、会議の進行やコミュニケーションに大きな支障をきたします。
この記事では、Zoomが重くなる主な原因とその対処法を、分かりやすく丁寧に解説します。Zoomの動作に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
Zoomが重いときの3つの原因
Zoomが重くなる原因には、「パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイス」「Zoomアプリ」「インターネット環境」の3つがあります。それぞれの問題を正しく把握することで、適切な対処が可能になります。
パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスの問題
まずもっとも多いのが、使用しているパソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスに起因する問題です。以下のような状況があると、Zoomの動作に悪影響を及ぼすことがあります。
- メモリやCPUの使用率が高く、負荷がかかっている
- ほかのアプリケーションが同時に起動している
- Zoomのシステム条件を満たしていない古いデバイスを使用している
- ストレージの空き容量が不足している
いずれかの状態のデバイスを使用していると、映像や音声が遅延したりフリーズしたりすることがあります。Zoomを快適に使用するには、ある程度のハードウェア性能が必要であることを意識しておきましょう。
Zoomの問題
次に、Zoomアプリ自体の設定やバージョン、サーバーの状態に起因する問題です。例えば以下のようなケースがあります。
- Zoomのアプリが古いバージョンのまま使用されている
- バーチャル背景やビデオフィルターを多用している
- 高画質・高解像度の設定にしている
- 一時的にZoomのサーバーに障害が発生している
こうした場合は、Zoomアプリを最新版へアップデートしたり、設定の見直しをしたりすることで改善が見込めます。また、Zoomのサーバー等に障害が発生した際は復旧を待つしかありませんが、公式サイトやSNSなどから最新情報を確認すれば、復旧のタイミングが分かります。
インターネット環境の問題
最後に、インターネット回線の速度や安定性が不十分な場合も、Zoomの重さに直結します。特に以下のような状況が原因になります。
- 通信速度(アップロード・ダウンロード)がZoomの推奨値を下回っている
- Wi-Fiの電波が弱く、不安定な接続になっている
- ほかのデバイスが帯域を圧迫している
このような場合は、有線LAN接続に切り替える、Wi-Fiルーターの位置を見直す、通信を分散するなどの対策が有効です。
デバイスが問題でZoomが重いときの対処法
Zoomが重い原因が使用しているデバイスにある場合、パフォーマンスを改善するためにいくつかの対処が必要です。ここでは、主にパソコンやスマートフォンの設定・状態を見直す方法をご紹介します。
まずは推奨スペックを確認する
Zoomを快適に利用するには、使用するデバイスが最低限のシステム要件を満たしている必要があります。Zoom公式では、プロセッサ、RAM、CPUピットの推奨スペックが以下のように提示されています。
Zoom Workplace
システム要件 | 必要最低スペック | 推奨スペック |
プロセッサ | デュアルコア2GHz以上 | クアッドコア2.5GHz以上 |
RAM | 4GB | 16GB |
CPUビット | 32または64 | 64 |
※2025年9月時点
これらを満たしていないデバイスでは、Zoomのパフォーマンスが大きく低下する可能性があります。まずはデバイスのスペックを確認し、必要であればアップグレードや買い替えも検討しましょう。
デバイスを再起動する
Zoomの動作が重くなった際、もっとも手軽で効果的な対処法の一つは、デバイスの「再起動」です。デバイスを長時間使用していると、メモリの消費やバックグラウンドアプリの影響で動作が遅くなることがあります。
再起動することで、バックグラウンドで待機している不要なプロセスが終了し、メモリがリセットされて動作が軽くなることが期待できます。Zoomを使う前には、念のため再起動しておくのもおすすめです。
デバイスの空き容量を確保する
デバイスのストレージ容量が不足していると、アプリケーションの動作やシステム処理が遅くなる原因になります。特に、ハードディスクドライブ(HDD)を使用している場合、空き容量が少ないと顕著にパフォーマンスが低下します。
デバイスのストレージ容量を確保するには、以下のような方法が有効です。
- 不要なファイルやアプリケーションを削除する
- キャッシュや一時ファイルを削除する
- 外部ストレージやクラウドへデータを移動する
Zoomの録画ファイルやキャッシュも容量を圧迫しがちなので、定期的な整理が必要です。
デバイスのOSをアップデートする
古いバージョンのOSを使用していると、Zoomとの互換性やパフォーマンスに問題が生じることがあります。OSを最新版にアップデートすることで、不具合やセキュリティリスクが解消されるだけでなく、Zoomの動作も安定する可能性があります。
また、OSと同様にZoomアプリ自体も最新版に保つことが重要です。アプリケーションの更新にパフォーマンス改善が含まれている場合もあるため、定期的なアップデートを忘れないようにしましょう。
有線接続する
Wi-Fi接続でZoomが不安定になることもありますが、特にデバイスの性能が低い場合には、通信の乱れが動作の重さに直結します。有線接続により通信の安定性が向上し、通信速度の低下や切断リスクが低減するため、Zoomの音声・映像遅延の改善が期待できます。Wi-Fi接続で動作が不安定なときは、有線LANに接続して使用してみましょう。
Zoomの問題で重いときの対処法
Zoomが重くなる原因には、自身のインターネット環境やパソコンの処理能力だけでなく、Zoomの設定や利用方法にも要因があります。以下の対処法を試すことで、Zoomミーティング中の負荷を軽減し、より快適なコミュニケーションを実現できます。
設定からビデオの品質を変更する
Zoomを使っていて映像や音声の調子が悪いと感じたときは、Zoomの設定から画質を下げてみるのも対処法の一つです。
Zoomでは、ビデオの解像度が高いほどより多くのデータ通信が必要になり、パソコンや回線に負担がかかります。その結果、映像がカクついたり止まってしまったりすることもあるわけです。特に回線速度が遅い場所や、Wi-Fiが不安定な環境では有効な対策です。
ビデオをオフにする
インターネット回線やパソコンの負荷を軽減する方法の一つが、Zoomのビデオをオフにすることです。自分の映像を送信しないだけで、データの使用量が大幅に減り、通信も安定します。特に音声だけで会話が成立する場面では、積極的にビデオを切ることをおすすめします。
Webミーティングの最中では、画面右下にある「ビデオの停止」をクリックすると、ビデオをオフに変更できます。普段から音声のみのWebミーティングが多い場合は、設定画面からビデオをオフに設定することで、デフォルトの状態を音声のみにできます。
バーチャル背景をオフにする
バーチャル背景は便利な機能ですが、パソコンのグラフィック性能に大きな負担をかけることがあります。特に古いPCやスペックの低い端末では、背景処理のためにCPUやメモリをひっ迫し、Zoom全体が重くなる原因となります。
バーチャル背景を使用している場合は、一度オフにしてパフォーマンスが改善するか確認しましょう。
インターネット回線の問題でZoomが重いときの対処法
Zoomが重くなる原因の多くは、インターネット回線の不安定さに起因しています。特にWi-Fi接続では、周囲の電波干渉や接続台数の多さ、ルーターの不調などが影響しやすく、映像や音声の遅延、フリーズといった不具合が発生することも少なくありません。以下の対処法を実践することで、回線由来の問題を改善できる可能性があります。
Wi-Fiの接続台数を減らす
Wi-Fiルーターには同時に接続できる機器の上限があり、パソコン、スマートフォン、タブレット、スマート家電などが多数接続されていると、通信帯域が分散されてZoomの通信速度が落ちてしまいます。特に、動画視聴や大容量のファイルのダウンロードは大きな負担になるため、Webミーティング中は控えると良いでしょう。
Zoom使用中は、使用していない機器のWi-Fiをオフにしたり、ネットワーク接続を切ったりして、接続台数を減らすようにしましょう。
Wi-Fiルーターを再起動する
長時間電源を入れっぱなしのWi-Fiルーターは、不要な内部メモリが蓄積し、動作が不安定になることがあります。その結果、通信速度が低下し、Zoomにも影響を与えることがあります。ルーターの電源を一度切って、数十秒待ってから再起動するだけで、状況が改善されることも少なくありません。定期的に再起動する習慣をつけることで、快適な通信環境を保ちやすくなります。
時間帯を変えて利用する
インターネットは利用者が多い時間帯に回線が混雑しやすくなり、通信速度が落ちやすくなります。Zoomが重いと感じた場合、できれば時間帯をずらして再接続を試してみるのも一つの方法です。
Zoomが重いときは原因に合わせた対処法を実践しよう

Zoomが重くなる原因は一つではなく、「Zoomの設定」「インターネット回線の不安定さ」「パソコンの処理能力」など、さまざまな要素が絡み合っています。まずは、自分の環境で何が問題なのかを確認し、それに応じた対処法を試すことが重要です。
例えば、映像がカクつく場合はビデオ品質を下げたりバーチャル背景をオフにしたりする、通信が途切れがちな場合はWi-Fiルーターの再起動や接続機器の整理を行うなど、少しの工夫で大きく改善するケースもあります。また、時間帯を調整することで快適に利用できるようになることもあります。
快適なZoom環境を整えるためには、原因を正しく見極め、それぞれに合った対処法を組み合わせて実践していくことがポイントです。日頃から通信環境やZoomの設定を見直す習慣をつけておくと、突然の会議や大事な打ち合わせでも焦らず対応できます。
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